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翻訳入稿時のチェックポイント
満足のいく翻訳のためには、資料や用語の準備のほかにも入稿段階でチェックすべきポイントがあります。スケジュールや分量、言語は当然ですが、それ以外に特に注意しなければならないポイントをあげてみます。
■文体
特に日本語訳の場合ですが、「ですます調」にするのか「である調」にするのかの指示は必要です。この違いは韓国語にもあります。英語から韓国語訳などの場合は、日本語同様にどちらの文体にするのか決めなくてはなりません。
■仕向け地
同じ言語でも、地域によって語彙や文法、社会制度に誤差がでてきます。主なもので言えば、
・英語:米国向け、英国仕向け
・中国語:大陸向け、台湾向け・香港向け
・スペイン語:スペイン向け・中南米向け
・ポルトガル語:ポルトガル向け・ブラジル向け
などがあげられます。どこの地域で、何を目的に翻訳をするのかを明確にしましょう。
■会社組織・役職
名刺の英訳を依頼され、困惑することがあります。部長代理や課長補佐、係長など、そのまま英語に置き換えても意味をなさないからです。
会社や組織の規模・業種により、同じ「課長」でもその意味するところは違います。役職名を翻訳する場合は、会社全体の組織図・職階を頭に画き、そのなかで英文では何に相当するのかを検討しなければなりません。
和訳の場合も同様です。「Vice president」という語を、何の情報もなく翻訳すれば「副社長」としか訳しようがないのですが、実際には部長クラスということも良くあります。
■固有名詞の表記
定訳がある場合は問題ないのですが、特に中国語の場合、カタカナの会社名などをどのように表現するのか決めなくてはなりません。
方法としては、①発音をあてはめる、②意味を訳す、の2とおりがあります。
①の代表例としては「ディズニー」=「迪士尼」
②では「パイオニア」=「先锋(先鋒)」
などがあります。一般的には、①の近い発音のなかで、できるだけ良いイメージ、業種に関連するイメージの漢字をさがすことが多いようです。
※カタカナや英文の会社名でも、元が漢字の企業は、原点に立ち返って漢字表記にするケースが多くあります。
例) 「トヨタ」=「丰田(豊田)」 、「NEC」=「日本电気(日本電気)」
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